2023年8月2日に報道された、日大のアメフト部の覚醒剤・大麻の問題で、逮捕された北畠成文容疑者。
同年8月8日に、日大の林真理子理事長が謝罪会見を行いましたが、X(旧Twitter)やワイドショーの専門家などから批判的な意見が相次ぎました。

中には、「会見しない方が良かったんじゃないの??」という意見もありました。
なぜ、X(旧Twitter)やワイドショーで批判的な意見が出たのか、その理由は会見の内容にありました。
そこで今回は、日大 アメフト部の会見内容を確認しながら、なぜ批判が集まったのか、今後求められる対応について見ていきたいと思います。
【日大 アメフト部】会見内容に批判が相次いだ4つの理由!!


日大のアメフト部に関する会見の内容で、批判が殺到する理由は4つに分けられると思います。
- 違法な薬物は見つかっていないという発言
- 今後の対策案・改善案ついて
- 問題の対応の遅さについて
- 大麻使用の情報提供についての対応



内容を見ていきましょう。
違法な薬物は見つかっていないという発言について
当初、林真理子理事長はメディアの取材に「違法な薬物は見つかっていない」と発言しました。
その後、日大アメフト部の寮において、覚醒剤・大麻が見つかり、混乱を招いたことについて、このように発言がありました。
メディアの取材に対し、「違法な薬物は見つかっていない」とした私の発言により、混乱を招いてしまいました。
その発言をした時点では、学生寮で発見されたものが違法な薬物なのかどうか、警察において確認を進めていただいていたところであり、本学としては、確認の結果について連絡を受けていないと意図の発言でございました。
日テレ NEWS24
さらに、このように発言がありました。
本学アメリカンフットボール部の寮において、「違法な薬物が発見されたとの事実は確認できておりません」とのコメントを、文部科学省記者クラブにリリースいたしました。
リリースに記載した内容をお伝えしたつもりでございますが、確かに私の発言は言葉足らずで唐突であったと本当に反省しております。
日テレ NEWS24
警察の捜査が入っているため、発言に注意しなければいけないことがあることは理解することはできます。
ですが、メディアの取材時に、「違法薬物は見つかっていない」と発言せず、
- 現在、警察による捜査が始まっていること
- 警察の捜査の結果がまだ出ておらず、違法薬物なのか確認が取れていないこと
このように発言をするべきだったのではないかという意見が相次ぎました。
今後の対策案・改善案ついて
林真理子理事長は、今後も理事長として職務にあたること、また信頼回復させるために、次のことを行うと発言しました。
- ガバナンスを強化するために、報告・情報伝達体制を精査する
- 今回の問題に対して真摯に取り組み、大学をあげて原因究明と再発防止に全力で尽くしていく
- 今後も警察の捜査を全面的に努力して参る所存
このように発言されていましたが、今後どのようにしていくのか、具体的な案が示されず、X(旧Twitter)でも否定的な意見もありました。
今後については、話し合いを重ねながら改善していくと思われますが、やはり2度目の不祥事ですので、具体案を示して欲しかったと思う人が多かったと予想されます。
問題の対応の遅さについて
今回の覚醒剤・大麻についての経緯の説明がありましたが、対応の遅れに対して否定的な意見が相次ぎ、「隠蔽では??」と感じる人が多くいました。



現在わかっている経緯をまとめました。
アメフト部の覚醒剤・大麻事件の経緯
- 2023年6月30日
-
警察からアメフト部の学生寮で、大麻を使用している可能性があるとの連絡を受ける
その日のうちに、副学長と競技スポーツ部長がアメフト部の学生寮を視察したが、違法薬物と思われるものは発見できなかった
- 2023年7月6日
-
再度、警察よりアメフト部で大麻疑惑に対して指摘を受け、大学側で調査させてほしいと申し出に対して、警察も大学で調査をすることを了承
同日中にアメフト部員11名に対して、持ち物検査とヒアリングを開始
- 2023年7月6日不審物の発見
-
持ち物検査の際に、
- 所有者不明の細かい茶葉のようなものがわずかに付着したビニール袋
- 内容が不明の容器を発見する
この時点では、警察に相談せず、7月18日に初めて途中経過の報告と相談を行う
- 2023年7月7日〜7月27日
-
学寮生のヒアリング(23名)・持ち物検査(16名)・元学生寮生のヒアリング(10名)の調査を行う
7月6日の時点で不審物を発見し、7月18日に警察に相談するまで12日間を要している理由について、このような発言がありました。
不審物を発見した(7月6日)時点では、違法薬物であるという確証がなく、ヒアリング調査を進めてからまとめて警察に相談しようと考えていたため
日テレ NEWS24
ですが、この時点で「間違いかもしれないが、不審物が見つかったから調査してほしい」と相談すべき・隠蔽したのではいう意見が多くありました。
X(旧Twitter)だけでなく、ワイドショーなどでも大きく取り上げられ、専門家も「理解ができない」と批判が相次ぎました。



やはりこうした情報提供があった時点で、「薬物の所持」を疑い、相談すべき案件でしたよね。
その後の経緯についても見ていきましょう。
- 2023年7月19日
-
ヒアリングの結果を受け、警察が日大を訪問
- 2023年7月20日
-
警察が学生寮で発見された不審物を押収し、違法薬物かどうかの鑑定を依頼
- 2023年8月3日
-
大麻取締法違反・覚醒剤取締法違反の容疑で、学生寮が家宅捜査を受ける
- 2023年8月5日
-
大麻取締法違反・覚醒剤取締法違反の容疑で、学生(北畠成文容疑者)が逮捕
7月20日に押収された不審物が違法な薬物であることが判明したのは、8月3日の午後と明らかにしました。



いずれにしろ、対応が後手に回っていますね。
大麻使用の情報提供についての対応
日大のアメフト部は、昨年から大麻使用の情報提供について、保護者から寄せられていたという報道に対し、日大側は『事実である』と認めました。



こちらについても、経緯をまとめました。
- 2022年10月29日
-
アメフト部の保護者会の開催後に指導陣に対し、保護者から大麻を使用していないか調査してほしいと相談をされた
- 2022年10月30日〜11月6日
-
部員121名に対して、聞き取り調査を実施したが、大麻を使用した事実は確認できなかった
- 2022年11月下旬
-
アメフト部員1名から「大麻と思われるものを7月ごろに吸った」と指導陣に報告
警察に相談したものの、
- 物的証拠がない
- すでに4ヶ月間経過していることから、本当に大麻だったのか確認できないので、立証するのは難しい
この理由から逮捕に至らず、警察より「大学側で本人に指導するように」と指示されたことを受け、アメフト部の指導陣より厳重注意を行う
情報提供があった時点で、大学側はすぐに調査に乗り出し、警察に相談をしているたことは、評価することはできるでしょう。



ですが、疑問点があります。
- 保護者から「大麻を使用していないか調査してほしい」と相談されたのはなぜ
- 生活指導者がいない
という点ではないでしょうか??
保護者から情報提供
なぜ保護者から情報提供がされたのか、考えられる可能性は2点あると思われます。
- 部員が不審物を見つけ、親に相談した
- 北畠成文容疑者の保護者が息子に連絡をした際に、様子がおかしかったため
この2点に絞られるのではないでしょうか??



でないと、保護者から大学側に『違法薬物の調査の依頼』をしないと思います。
生活指導者がいない
大学生なので、生活指導者がいなくても、物事の良い・悪いの区別をつけられる人がほとんどだと思います。
ですが、こうした情報提供があったのですから、少し踏み込んで、寮生活を監督する大人をつけるべきだったのではないかと感じる人が多いと思います。
日本大学のアメフト部の覚醒剤・大麻の問題で、理事長や学長が会見を行いましたが、こうした4つの理由で否定的な意見が多かったと考えられます。
問題山積の日大のアメフト部、これからどうなっていくのか、まだ注目が集まりそうですね。
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【日大 アメフト部】今後求められる対応は??


日大 アメフト部で、今後求められる対応として、2つのことが挙げられると思われます。
- アメフト部の運営方法・組織の見直し
- 寮生活を送る部員に対して、生活指導者を入れる
アメフト部の運営方法・組織の見直し
日大アメフト部が不祥事を起こしたのは、2018年のタックル問題に続いて、今回で2度目です。



そのため、抜本的な運営であったり、組織を見直す必要があると考えます。
2018年に起きた日大選手によるタックル事件の後に、橋詰功さんが監督に就任しました。



橋詰功さんが監督に就任し、アメフト部を立て直した時に行ったことは、次の通りです。
- 指導陣の総入れ替え
- 練習時間を削って、ミーティングの時間を増やす
- 学生たちとコミュニケーションを取る
- 練習環境を整えた
橋詰功さんが学生とのコミュニケーションを十分に図り、指導をしていたことがわかります。
この橋詰功さんの指導に、当時の部員はこのように感じたそうです。
今までやってきたこと。
練習方法・行動・態度・私生活。全部疑わないと俺ら変われないわ
Yahooニュース
部活だけでなく、何事においても、『コミュニケーション』を取ることは、とても重要なことです。



現在の日大アメフト部の監督、中村敏英さんが選手と十分にコミュニケーションを取っていたのかは不明です。
ですが、監督や指導陣・選手同士のコミュニケーションを十分に取り、声をかけ合いながら練習できる環境を整える必要があるでしょう。
そうした意味で、アメフト部の運営方法・組織の見直しをする必要があると考えます。
寮生活を送る部員に対して、生活指導者を入れる
日大のアメフト部学生寮は、寮母の情報や生活を指導している人の情報がありませんでした。



そのため、アメフト部員だけで生活していたものと思われます。
会見の中で、2022年10月の時点でアメフト部の部員121名に調査していたという情報がありました。
このことから、2023年現在も同じくらいの部員数がいるのではないかと思われます。



現在の部員数を調べましたが、情報が得られませんでした。
ですが、やはり多くの学生が生活している寮になるため、寮母や学生をしっかり監督できる大人がしっかり生活を見守る必要があると感じます。
寮生活を送る学生は、実家が遠方である場合が多いことが予想されるため、寮をなくすことは現実的ではないと思います。
そのため、しっかり寮生活を見守ることができる寮母や大人が、コミュニケーションを取りながら生活できるようにサポートすることが大切だと感じます。
2度にわたる日大アメフト部の不祥事、今度こそ問題を全て洗い出すことができるのか、注目したいですね。
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まとめ
- 日大 アメフト部の会見内容に批判が相次いだのは、4つの理由が考えられる
- 今後の対応で、部の運営方法などを見直し、生活指導者を入れるなどの対応が求められる
今回は、日大アメフト部の会見内容で、多くの方から批判されている理由について、考えてみました。
2018年に起きたタックル事件から、少しずつ改善されているのかなと思っていただけに、今回の事件は残念でなりません。
しっかり問題点を洗い出し、しっかり対応すること、そして学生が笑顔で部活動に打ち込める環境を整えてあげてほしいですね。



